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2006年08月05日

Board Implementation それともフルセット?

Altium Designer のラインナップの中で基板設計機能を備えているのは、Board Implementation とフルセットの 2 種類です。このため、ボードレベル設計ツールのお問い合わせをいただいた場合には、この両方を紹介させていただきますが、最近はフルセットを選択いただく場合が増えてきています。

この理由の一つは価格面にあるのではないかと思います。

ノードロック版の場合、Board Implementation(Fundation付)の価格が、1,196,000円でフルセットが1,400,000円ですので、価格差は約 20万円しかありません。また両方とも 100万円前半の価格であり、以前のように基板設計だけなら100万円以下で買えるというわけでもありません。このためどうせ買うならフルセットにしておこうということになるようです。

これは売り手側にとっては実にありがたいことなのですが、弊社のようにコンサルティングという名前で商売をさせてもらっている場合には、このことがユーザの利益につながるかどうかを考えなくてはなりません。

そこで、いくつかのケースに分けて 20万円 の追加でフルセットを買う価値があるかどうかを考えてみました。

(1) ボードレベルだけでなく、FPGA のハードとソフトを開発する場合
これの場合は間違いなく買いです。20万円の投資で基板設計に加えFPGAの論理合成、FPGA上のCPU のソフト開発、デバッグ環境追加されます。さらに、論理合成の終わったライセンスフリーのCPU コアや、ペリフェラルのライブラリが豊富に用意されています。

Embedded Intelligence Implementation の単品価格(Foundation 抜き)が598,000円であることを考えても大変お買得であるといえます。

標準装備の CPU ライブラリ

cpu_lib.jpg

(2) ボードレベルだけでなく、FPGA のハードを開発する場合
この場合も買いだと思います。FPGA のハード開発だけを考えても PCB との統合環境で FPGA の開発ができることには大きなメリットがあります。まず、PCB と同じ回路図エディタを使って FPGA のデザインエントリーができること、そしてPCB ツールとの連携により FPGA 端子のアサインの自動変更ができることなどのメリットがあげられます。

このケースでも、ツールの使い分けが不必要なことや容易にデータの連携ができることなど、統合環境のメリットが十分に生かされるはずです。

回路図シンボルと論理記述を混在させたデザインエントリーが可能。論理合成済みの
CPU コアライブラリが用意されており、CPUシンボルを置くだけでCPU を作る事ができる。

fpga_cpu.gif

(3) ボードレベルの設計だけを行う場合
関連部署や取引先を含めて FPGA を使用していない場合には、FPGA 開発のための機能はほとんど使う機会はないと思います。しかし、今後さらに FPGA が普及することにより、FPGA 開発プロセスとの連携が要求されるようになってくるはずです。 現在すでに FPGA のピンアサイメントを PCB レイアウトにあわせて決めるという手法が定着しています。

フルセットを導入することによりFPGA 開発プロセスを身近なものにすることができ、このような環境の変化に対応しやすくなります。このようケースでも20万円の投資は価値があるのではないでしょうか?

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