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2007年07月31日

Altium Designer の動作環境

2002年に DXP プラットホームを用いた最初の製品である Protle DXP がリリースされ、Altium Designer 6 はこの Protel DXP かのアップグレードによって生まれました。この間 5年にわたる開発努力により、Altium Designer 6 は非常に高性能かつ安定に動作する製品に進化しています。

またこの間に安定期に入った OS や、 PC ハードウェアなどのPCプラットフォームの進化が、Altium Designer 6 の高性能化と信頼性の向上に寄与したことも確かです。

そこで今回は、このAltium Designer 6 を動かす PC プラットフォームに関連する事項を、いくつか取り上げてみたいと思います。

(1) Windows Vista への対応
Altium Designer 6 は Windows Vista にフォーカスした開発された製品ではありません。しかしながらVista 上での動作確認は行なわれており、Windows Vista Compatible という表現により Vista 上での動作が保証されています。詳細は以下ドキュメントの 21 ページをご覧ください。
http://www.altium.com/files/pdfs/WhatsNewinAltiumDesigner6.7.pdf

(2) DirectX
Altium Designer 6 では描画を高速化するために DirectX API を利用しており、高性能なグラフィックボードとのDirectXとのコンビネーションにより、20倍近くの高速化が可能であることが示されています。しかしながらDirectX のリビジョンは最新の 9.0c でなければならず、9.0b などの以前のリビジョンでは、不具合が発生します。
以下の不具合も古いリビジョンの DirectX プログラムによるものでした。

・ 特定のダイアログボックスが開かず "Error:creating options page"
 というメッセージが表示される。
・ PCB のライブラリファイルを開けない。

弊社に報告された事例はこの 2件だけですが、他の症状がでることもあると思います。もし表示に関する不具合が発生した場合には DirectX のりビジョンを確認してください。DirectX に関する情報の入手およびダウンロードは、以下のページで行なうことができます。
http://www.microsoft.com/japan/windows/directx/default.mspx

(3) メモリ容量
Altium Designer 6 の動作環境として、最低でも 1GB のメモリの搭載が必要であることが示されています。今ではメモリも安く、1GB のメモリの搭載は当たりまえになっていますのであまり問題になることはないと思います。とはいえ当面は少ないメモリ環境で我慢しなくてはならないという場合も考えられ、512MB 程度の環境で動くかどうかということが気になるところです。

この結論として、「512 MB でも動くので、少なくともメモリ環境が 1GB に満たないことを理由に導入を先送りする必要は無い」 ということがいえます。偶然にも当方では最近 PC のメモリが故障し、 512MB の環境で Altium Designer 6 を動かしていますが、特に不具合なく動いています。さすがにこの環境で他のアプリケーションを同時立ち上げると動作が鈍くなります。しかしこれは Altium Designer 6 に限ったことではなく、Microsoft のアプリケーションでも同じです。

このように Altium Designer 6 だけが突出してメモリを大食いするという訳ではありません。実際に512MB で動きますので、正直なところ、必要メモリの表記は最小 512MB、推奨 1GB といった程度が妥当なところなのではないかと考えています。

Links:アルティウム専門店トップページ||アルティウム製品の資料請求と問合せ

2007年07月26日

ビューワの利用

CAD ツールが普及すると、デザイン情報を共有するために、データの閲覧を行なうビューワが必要になってきます。プリントアウトや PDF でも情報の共通は可能ですが、デザインデータに含まれる電気的な属性にアクセスできませんので、CAD の良さを充分に生かすことができません。

そこで、多くの CAD メーカでは ビューワを無料で提供することにより、デザインデータ共有を手助けしています。

アルティウムでも、Altium Designer 6 のビューワーを無償で提供しており、閲覧したいが編集は不要という場合に便利です。  http://www.altium.co.jp/Products/AltiumDesigner/DeployingAltiumDesigner/ViewerEdition/
www.altium.com/files/pdfs/Viewer-edition-JP.pdf

このビューワは、Altium Designer 6 を使用中のユーザに対して、社内の関係部署でのデータの閲覧を容易にするという目的で提供されています。このため、Altium Designer の登録ユーザを無償提供の対象としておりますが、場合によってはユーザ以外の方々も入手が可能なようです。

このビューワは、以下のページから申し込むことができます。
http://www.altium.com/Forms/designer/viewer.aspx?lang=ja

また最近では次のような用途のため、OrCAD 回路図のビューワについての問合せをいただくことがあります。

(1) Altium Designer に読み込んだOrCAD 回路図が正しく再現されているかどうかを、オリジナルと見比べたい。
(2) Altium Designer からOrCAD フォーマットで出力した回路図が、OrCAD ツールに正しく読み込めるかどうかを確認したい。

これは、OrCAD Capture の正規ライセンスを購入するれば済むことなのですが、編集機能は不要ですのでできればビューワで済ませたいものです。

幸い OrCAD Capture のビューワについては、CADENCE 社および代理店のホームページから"MYRIAD OrCAD Capture Viewer"というツールが無償配布されています。またサードパーティから、AutoVue という製品も販売されています。
http://www.cimmetry.com/_products/viewers/orcad.html

そこでこの 2 種類のビューワを試してみたところ、両方とも Altium Designer から出力した OrCAD 回路図を読み込むことができました。ところがそれぞれの読込み結果は一致しませんでした。MYRIAD OrCAD Capture Viewer については、TrueType フォントが再現されず、AutoVue では特定のページで絵柄が乱れていました。

しかしこのどちらが 本物OrCAD に近い読込み結果を示しているのか判断できません。特にOrCAD への変換精度の確認に使う場合、ビューワ の読込み能力が本物の OrCAD と全く同じでなくてはなりません。OrCAD より良くても悪くでも困りますので、ビューワとしての実用性を正しく評価をするためには本物のOrCADとの比較が必要になります。

このようなことから、ここでは ビューワの評価は控えます。

以下は AutoVue による読込み結果です。うまく再現されているように見えますが、上記のような課題があることも忘れずにご利用ください。

Altium Designer で作成した回路図
altium_sch.jpg

OrCAD Capture の DSN フォーマットで保存し、AutoVue に読み込んだ結果
autovue.jpg

(OrCAD、OrCAD CaptureはCadence Design Systems, Inc.の登録商標です)

Links:Altium 情報局Altium 問合せ・請求||Altium Designerユーザ情報サイト

2007年07月25日

Layout が販売終了?

CADENCE 社は OrCAD Layout の販売を取り止めるようです。

http://www.ema-eda.com/OrCADLayout/default.aspx

このサイト(OrCAD代理店)の案内によると OrCAD ラインナップからOrCAD Layout が消えるだけで、OrCAD Capture や PSpice のラインナップに変更は無いとのことです。

あちこちのサイトでアナウンスされているようですので、詳しくは "OrCAD Layout End of Life" で検索してお調べください。

これにより、当方のビジネスが大きな影響を受けるとは思いません。しかし私どもは10年くらい前、一時的にOrCAD 代理店として OrCAD Layout の販売を行なっていたことがありました。またこの製品の開発スタッフとも親交がありましたので、何か大切なものを失ったような気がします。

もしお時間がございましたら以下をご覧ください。OrCAD Layout 誕生の背景などがわかるとおもいます。もっともこれが皆さんのお仕事に役立つことは無いと思いますが...

OrCAD の変遷
www.cqpub.co.jp/dwm/contents/0001/dwm000101310.pdf

OrCAD/Massteck の記憶
http://eda.ac/yota/archives/2005/07/orcad.html
http://eda.ac/yota/archives/2005/07/orcad_1.html
http://eda.ac/yota/archives/2005/07/massteck.html
http://www.anvil.co.jp/techexpress_08a.jpg

MaxEDA/OrCAD Layout 開発キーマン Dr.Wadland のサイト
http://www.kenwadland.com/
同 Dr.Wadland の経歴
http://www.kenwadland.com/wadlandrvitae.pdf

Windows 黎明期から続いてきた製品が、また一つ亡くなります。

(OrCAD、OrCAD Capture、OrCAD Layout、PSpice はCadence Design Systems, Inc.の登録商標です)

Links:アルティウム専門店トップページ||アルティウム製品の資料請求と問合せ

2007年07月24日

アルティウムって売れてるの?

アルティウムのホームページでは多角的な方法で、商品やサポート情報が提供されています。中でもビデオスタイルで機能を紹介する、マルチメディアデモがすばらしく充実していますので、このブログでも幾度か取り上げています。

一方、アルティウムは上場企業ですので、投資家向けに企業経営に関する情報も提供されています。これらの情報は、商品情報ではありませんので見過ごすことも多いと思いますが、ユーザとしても有用な情報が含まれています。

例えば、ユーザとしても気になる「アルティクムってどれくらい売れてるの?」といったことや、将来性を左右する企業力を把握することができます。

そこで、プレスリリースとして配布されている最新の資料から、少し情報を拾ってみることにします。

アルティウムの英語ページ http://www.altium.com/ から " Altium indicates an annual sales growth of 31%, annual revenue growth 18% " というサブタイトルで、2006-2007年度の決算速報が配布されています。

これには今年度の売上げ総額と、前年度に対する伸び率が示されていますので、これを見るとすぐに、「アルティウムってどれくらい売れてるの?」という疑問を解くことができます。

(1) 販売は絶好調で、メンテナンス契約を含めた全世界の売上げは、前年度比で 31% 伸びています。特にアジア地域は顕著で、67 % も伸びており、日本の貿易相手国での伸びが高いと推定されます。
(2) 売上げ金額は日本円で60億円くらい。日本最大手の Z 社の公示資料によると、Z 社の年間売上げが連結で190億円くらいのようですので、アルティウムもCAD メーカとしてけっこうな売上げ規模に達していることがわかります。

CAD ツールの運用においては、広範囲かつ長期にわたって設計データの互換性が保たれることが重要です。このため、たまにはこのような資料によって、CAD メーカの現在のポジションや将来性を確認することも必要なのではないかと思います。

Links:Altium 情報局Altium 問合せ・請求||Altium Designerユーザ情報サイト


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