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2007年09月28日

回路図ライブラリを使い回す

CADを使った設計では「常に必要な部品がそろっていて、いつでもすぐに利用できる」という状態になっていないと能率が上がりません。

要するに部品ライブラリの充実と管理が必要なのですが、これがななか大変で、理想的な環境を構築しそのコンデションを保つには相当の労力が必要になります。

そこで今回は既存のライブラリ資産をうまく使い回して、効率よく仕事を行なうための機能を紹介します。

(1) 既存の回路図から部品を抜き取る
「 Design >> Make Project Library / デザイン >> プロジェクトライブラリの作成 」

makepl.jpg
例えば、以前に作成した古いプロテルの回路図や社外で作成した回路図を修正して再利用する場合には、回路図上に部品があっても、ライブラリには部品が見当たらない、ということがよくあります。

このような場合、プロジェクトライブラリの作成(Make Project Library)コマンドを使うと、回路図上に配置されている全ての部品を一気に抜き取り、一つのライブラリファイルに保存するこができます。この機能を使うとほんの数秒で部品ライブラリができてしまいますので、手間のかかる部品作成は不要になります。

この機能は、ライブラリの構築の際にも便利です。例えば、OrCAD やP-CAD、PADS で描かれた回路図を読み込み、プロジェクトライブラリの作成(Make Project Library)コマンドを起動すると、OrCAD やP-CAD、PADS の回路図シンボルを Altium のフォーマットに変換して、ライブラリに加えることができます。

(2) 部品のコピー
「 ライブラリパネル上の部品リストを コピーアンドペースト 」

compo_list.jpg
必要な部品が見つからない場合、似通った部品を修正して利用します。この場合、まず元になる部品をコピーして持ってくることが必要になりますが、この作業をライブラリパネル上でのコピーアンドペーストで行なうことができます。

部品リストは複数選択が可能です。必要な部品を選択したあと右ボタンクリックでコマンドリストがポップアップします。同一ライブラリファイル内だけでなく他のライブラリファイルとの関で コピーアンドペーストできますので、ライブラリ内の部品構成を編集する際にも使用できます。案外、この機能の存在に気づいていない人も多いのではないでしょうか?

(3) 回路図上でのピンの移動
「Cmponent Propaties / コンポーネントプロパティ のピンロックを解除」

Lockpin.jpg

部品のピンを移動することにより、回路図上の配線の交差を少なくできる場合があります。このような場合、回路図上に部品を配置した後でも、ピンロックを解除することにより、ピンを自由に動かすことができますので、ライブラリの修正を行なう必要はありません。

(4) 回路図上でのピン属性の編集
「 Cmponent Propaties / コンポーネントプロパティ からピン編集を実行 」

Pinedit.jpg

シングルチップのCPU や FPGA デバイスでは、IO 端子の機能がプログラムできるようになっています。これらの部品を使用する場合、ピン編集機能を使用することにより、回路図上に部品を配置した後でピン属性を編集できますので、ライブラリの修正を行なう必要がなくなります。

限られたライブラリリソースを有効に使用するという意味において、他にも役立つ機能があります。

(5) ライブラリレポート
「 Report >> Library Report / レポート >> ライブラリレポート 」

ライブラリを図面化することにより、目的の部品をすばやく見つけることができます。必要な部品が見つからず、同じ部品を何度も作ってしまうというような無駄を避けることができます。この機能については以下に説明があります。
http://anvil.co.jp/altium-info/cadlog/2006/05/post_7.html

(6) 外部ドキュメントを F1 キーによりアクセス
「HelpURL パラメータを設定」

helpurl_kw.jpg
helpurl.jpg
部品パラメータにHelpURLキーワードを記入し、URL アドレスを書き込むことにより、F1 キーで URL にアクセスすることが」できます。この機能を使うとF1 キーで部品のデータシートを瞬時に表示させることができます。

(7) 既存ライブラリの各部品のパラメータを一覧画面で編集
「パラメータマネージャの活用」

PrameterMan.jpg
パラメータマネージャーを使うと、複数の部品のパラメータを一覧形式で編集することができます。標準ライブラリを、自社の仕様に合わせて修正する場合などに便利です。

他にもいろいろ便利な機能があります。充実したライブラリの構築とその一元管理に加え、既存のライブラリを小技で使い回すことも必要だと思います。

OrCAD は Cadence Design Systems, Inc. の登録商標です。PADS は Mentor Graphics Corporation の登録商標です。

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