Main Contents

2007年09月29日

スタンドアロンとネットワーク

Altium Designer にはスタンドアロンライセンスとネットワークライセンスが用意されています。すでにご存知の方も多いと思いますが、あい変らずどこが違うの?というお問い合わせが多いのでおさらいしておきます。

スタンドアロンライセンスはノードロックライセンスとも呼ばれるライセンス形態で、一台のPC上でのみ Altium Designer の使用が可能です。一方のネットワークライセンスはフローティングライセンスとも呼ばれるライセンス形態で、LAN で接続された任意の PC 上で、ご購入いただいたライセンス数の範囲内でAltium Designerを同時に使用することができます。

スタンドアロンライセンスでは Altium Designer がインストールされた自分の PC に直接ライセンスが与えられます。スタンドアロンライセンスは特定の1台 PC だけでしか使えないように固定されますので、ノードロックライセンスとも呼ばれます。

License.jpg
使用者が一人の場合には、このスタンドアロンライセンスが最適です。しかし複数の使用者が交代で使用するような場合には、使用者がAltium Designer のインストールされているコンピュータのところまで移動しなくてはならないので少々不便です。

また時々、スタンドアロンライセンスで、ライブラリの共有はできますか?という問合せをいただくことがありますが、これはライセンスの共有ではなくファイルの共有ですので、ライセンス形態に関係なく可能です。

一方のネットワークライセンスは、ライセンスサーバー用のプログラムがインストールされた、ライセンスサーバーに対してライセンスが与えられます。そしてこのライセンスはネットワーク経由して、 Altium Designer がインストールされたクライアントに能動的に配信されます。クライアントは Altium Designer が働いている時にしかライセンスを使用しませんので、ライセンスを有効に使い回すことができます。このネットワークライセンスはライセンスが特定の PC に固定されず、ネットワークを経由して自由に動き回りますので、フローティングライセンスとも呼ばれます。

クライアントとして使用できる PC の数には制限はなく、またどのクライアントでも Altium Designer を使用することができます。しかし同時にに使用できるクライアントの数は、ライセンスサーバに与えられているライセンス数に制限されます。

License_n.jpg
このネットワークライセンスでは、同時に何人使用するか?ということにより必要なライセンス数が決まります。

例えば10人のエンジニアが、自分のディスクトップ環境で Altium Designer を使いたい場合、スタンドアロンライセンスでは使用頻度には関係なく 10ライセンス購入することが必要になります。しかしネットワークライセンスの場合にはユーザが10人いても、使用頻度が低く同時に5人以上使うことが無ければ、5ライセンス購入すればよいということになります。

ネットワークライセンスは複数の使用者でAltium Designer を共有する場合に、大変便利なライセンス形態です。しかし一方ネットワークライセンスには Altium Designer を社外に持ち出しにくい、という難点もあります。

また、通常ネットワークライセンスは独立したサーバーにインストールしますが、Altium Designer がインストールされたクライアント環境に同居させることもできます。この用法を使うとより柔軟な運用環境を構築することができます。

License_n_c.jpg
例えば、モデル A にはクライアント環境にライセンスウサーバを同居させた例が示されています。この場合スタンドアロンライセンスの場合と同じように動作しますが、それ以上の何ものでもありません。

モデル B は、上記モデル A を他のクライアントのライセンスサーバとして用いる場合の例です。例えばノート PC にクライアントとサーバーを同居させておき、外出時にはこれを持ち出して使用します。そしてオフィスに帰れば、ディスクトップ PC にインストールされている Altium Designer のライセンスサーバーとして使用する、という使い方が可能です。

モデル C は、上記モデル B と独立したライセンスサーバーとを組み合わせた例です。例えば、同時に 5人が使用する場合には 5ライセンスのネットワークライセンスを購入することが必要ですが、5ライセンスを一括ではなく、1ライセンスと4ライセンスの 2つに分けて購入します。そして、1ライセンスの方を、サーバ-/クライアント共用のノート PC にインストールし、4ライセンスの方を専用サーバにインストールします。

この方法では常時 5人の使用が可能で、なおかつノートPCにインストールされたAltium Designer を社外に持ち出すことも容易にできます。

以上、2 種類のライセンス違いと運用例をご紹介しました。

スタンドアロンライセンスとネットワークライセンスは混在させることもできます。Altium Designer のフルセットと Foundation を混在させ、一方をネットワークライセンス、他方をスタンドアロンライセンスという組み合わせも可能です。

このようにフレキシブルな運用が可能ですので、複数のライセンスを導入される場合には、その運用環境の構築にも知恵を絞っていただきたいと思います。

なお、スタンドアロン/ネットワークライセンスのいずれにもドングルと呼ばれるハードウェアキーはなく、固有の PC 環境に合わせて発行された、ライセンスキーファイルの参照によってライセンスがアクティブになります。

このため Altium Designer ではプログラムのインストールが終わった後、アクティベーションと呼ばれる作業により、ライセンスキーファイルの取得とインストールが必要になります。

Links:アルティウム専門店トップページ||Altium Designer 評価版


Copyright © here.