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2007年10月22日

PCB 設計分業の現実と課題

Altium Designer が設計分業に最適なツールであることに異論の余地はありません。

ならば、Altium Designer を使えば、「社内で回路を設計して外部にPCB 設計を委託する」 という日常の分業を、すぐに効率化できるか?ということになりますが、残念ながら「できる」とは言い切れないのが現実です。

その理由は、Altium Designer でのPCB 設計を請け負ってくれる設計業者さんがまだまだ足りないからです。

効率的な分業を実現するためには、ネットリストを渡して他社のCAD で設計するのではなく、「Altium Designer を使って基板設計を行なう」ことが大前提になりますが、肝心のAltium Designer で設計できる外注先がおいそれとは見つかりません。

現実の課題として、Altium Designer を基板設計会社にもっともっと採用していただかなくてはなりません。そこで、なぜイマイチ採用が進まないかということを考えてみると、実際の機能の良し悪しよりも商品のイメージが災いしているように思います。

Altium Designer は、専業のPCB 設計エンジニアの要求を満たす、多くの優れた機能を備えています。例えば、ガーバデータを読み込んでPCB データに変換するリバースエンジニアリング機能や、ODB++ を含む多様な CAM ファイルへの対応など、PCB 設計者にとって重要なCAM まわりの機能は極めて充実しています。

しかしながら、それ以上にデザインエントリー機能が充実していますので、どうしても 「Altium Designer は回路設計者向きの CAD なので、PCB 設計者には使い辛いのではないか」という疑念が生じがちです。特にFPGA 機能については、PCB との連携機能以外はPCB 設計者には不要ですので、FPGA 機能に関する紹介が繰り返されると、「これはちょっと我々の用途とは違う製品」という印象が定着してしまうのも無理無いことです。

そこで、まだ Altium Designer をお使いではない PCB 設計業者の方々に
2 つのお願いをしたいと思います。

(1) Altium Designer は、PCB 設計機能を最重要視して開発されており、専門のPCB 設計者の要求を満たす優れた機能を備えています。イメージに惑わされること無くこの PCB 機能のアドバンテージに注目し、導入をご検討下さい。

(2) Altium Designer は急速に普及が進んでいます。そしてそのユーザの多くは企業の回路設計者であり、Altium Designer で PCB を設計できる外注先を探しています。ぜひとも Altium Designer を導入していただき、この需要を満たしていただきたいと思います。

ついでに、他の方々にもお願いしておきたいと思います。

すでにAltium Designer をお使いの PCB 設計業者の方々へ
Altium Designer で基板設計可能な業者さまとして紹介させていただきたいので、新規受注を受ける余裕があるようでしたらご一報下さい。
参考 : Altium で基板設計します http://anvil.co.jp/altium-info/cadlog/2007/06/altium_3.html

Altium Designer でのPCB設計の発注を希望されている回路設計者の方々へ
現在のPCB 設計外注先が Altium Designer をお使いで無い場合、回路図ファイアルや PCB ファイルでのデータの受け渡しが必要なことを粘り強く説明してください。そのうち事の重要性が伝わると思います。よろしければ、弊社からも説明や売り込みをいたしますのでご紹介下さい。

最後に雑感を述べると、
やはり Altium Designer のラインナップに、PCB 設計者向けに過不足の無い機能を備えた商品がほしいですね。デザインエントリーが終わってから仕事が始まるPCB 設計者の方々には、Foundation の無い(デザインエントリー機能が制限された)Borad Implemantation を単品でお届けしたいところです。

回路設計者向けにはPCB機能を制限した Foundation が用意されているのに、 PCB設計者向けにはデザインエントリー機能を制限した Board Implementation が無いというのは、少々片手落ちのような気がします。

Links:アルティウム専門店トップページ||Altium Designer 評価版


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