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2007年10月18日

統合ツールと設計の分業

Altium Designer は 回路設計プロセスを広範囲にカバーする統合環境として人気があります。なかでも、デザインエントリーツールとPCB 設計ツールが一体化した Board Implementation は、回路設計者の「PCBまで自前で設計したい」という要望を満足させるツールとしてたいへん好評です。

一方で、分業が進んでいる企業の設計者の方々からは、多くのツールが統合されている Altium Designer に対して、批判的な意見をいただくこともあります。

よくあるのは、「うちの会社には基板設計と FPGA 設計を両方こなす設計者はいないので Altium Designer のフルセットは不必要」という意見や、「回路設計と PCB 設計の担当者が分れているので、回路図エディタと PCB エディタが統合されていても意味が無い」という意見です。

一見これらの意見は合理的に思えます。しかし統合環境を分業を効率化するための手段としてとらえると、これが誤りであることがわかります。

分業を行なう場合にはデータの受け渡しの頻度が増えます。統合環境であればファイルの互換性に関する問題が存在しませんので、工程間のデータの受け渡しを精密かつ迅速に行なうことができます。

そのうえ、各工程の担当者が前後の工程に立ち入ることも可能です。例えば PCB 設計者が回路図からネットを抽出したりPCB上の変更をバックアノテーションすることができます。また回路設計者が、PCB 上の主要部品の部品配置を行なうなどを行なうことができます。さらに FPGA ツールが統合されている場合、PCB レイアウトから FPGA のピンアサイメントをコマンドひとつで変更することもできます。

このようにツールの統合は分業の際に必要な工程間の連携に、絶大な能力を発揮します。このため、極めて高度に統合されたAltium Designer は、一人で何種類のも仕事をこなす人のための万能ツールとしてではなく、むしろ効率的に分業を行なうためにこそ利用すべきであるといえます。

ユーザやトライアル中の皆様には、ぜひともこのAltium Designer の連携能力に着目し、内外の設計者との分業に役立てていただきたいと思います。

以下に PCB-CAD の運用について解説した記事がありますので、これらも参考ご覧いただければ幸いです。
http://www.kumikomi.net/article/explanation/2004/15print/01.html
http://www.kumikomi.net/article/explanation/2003/11pcbcad/01.html

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