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2008年01月31日
Altium Designer のベタ塗り
Altium Designer ベタ塗り機能のデザインルール設定
(2006年5月17日の記事に加筆/転載)
Altium Designer の PCB エディタは、四角形しか作れない Fill、自動抜き機能を伴わないSolid Region、自動ベタ抜きの Polygon Pour の3 種類のベタ塗り機能を備えています。
Solid Region は思い通りの形状の面パターンが作りやすいので配線パターンの補強などに便利であり、Polygon Pour を使うと広い面積の均一なシールドパターンを瞬時に作成することができます。
これらのベタは一般的なマウスのドラッグとクリック操作で簡単に作れます。しかしクリアランスの設定がわかりにくくて、私はこれにずいぶんてこずりました。そこでこの経験を踏まえ、このクリアランスルールの設定のコツを伝授したいと思います。
(1) Polygon Pour(自動ベタ塗り)では自動生成されたクエリーを修正することが必要。
デザインルールのクエリーの設定には、Query Builder を使うと便利です。例えばこの Polygon Pourのクリアランスを設定する場合には、 Condition Type から Obhject Kind is を選び Condition Value から Poly を選びます。この結果 IsPolygon の値が返され OK ボタンによりクリアランスルールのFull Query エリアにクエリーが書き込まれます。
しかし IsPolygon ではエラーが発生し、正しく動作させるためにはこれを InPoly に変更することが必要です。すなわちIs を In に変更(Poly と Polygon は同じ扱い)しなくてはならないということがわからず、アルティウム ジャパンに問い合わせるまで正しく設定できませんでした。
この Is と In の違いと用法は、「クエリ言語の 内部紹介ガイド」 http://www.altium.com/Files/learningguides/JP/ProtelDXP/insidersguide_querylanguage.pdf に詳しく説明されています。
要するに Polygon は複合オブジェクト(グループオブジェクト)であるので、その構成要素(プリミティブオブジェクト)を指し示す「In」 の記述が必要であるということのようです。
(2) Condition Value で PolyRegionを選ぶと誤ったクエリーが返ってきます。
Query Builder を使用すしてSolid Region (自動抜きの無いベタ塗り)のデザインルールを設定する場合、通常は Condition Type から Obhject Kind is を選び Condition Value から PolyRegion を選びます。しかしここの操作を行うとなぜか IsComponentBody の値が返ってきます。
ためしに Condition Value から ComponentBody を選んだところ IsRegion が返ってきましたので、ComponentBody と PolyRegion が入れ違っていることがわかりました。このため、Query Builder を使って 正しいQuery を得るためには、PolyRegion ではなく ComponentBody を選ばなくてはなりません。
そしてもう一つ、
(3) IsRegion で設定したデザインルールはPolygon Pour(自動ベタ塗り)にも影響します。
たとえば Polygon Pour の Fill Mode を Solid(Copper Regions)に設定した場合、IsRegion で設定したクリアランス値が Polygon Pourにも適応されますので注意が必要です。
Fill のクエリーの生成とデザインルールについては特筆すべき注意点はなさそうです。
おそらくここで取り上げた設定上の不可思議は、ソフトウェアの修正によって解消されると思いますが、それまではこの説明を参考にしてください。 ※ Summer08 ではこの不具合は解消されています。
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- by Jono
- at 2008年01月31日 17:30
- in Altium Designerの機能/用法