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2008年03月21日

Altium Designer 6.9

先週 Altium Designer 6.9 の配布が始まりましたので、インストールして内容を調べてみました。

インストール後、まずこのアップデートの概要が紹介されているアルティウムの "What's new in Altium Designer 6.9!" webページを見てると、6.8 の時のように「300以上の新機能と機能強化」というように数の多さは訴求されていません。ここを見る限りでは今回のアップデートは、「前作の 6.8 の完成度を高める」ことに主眼がおかれているようです。

またもうすこし詳しい "What’s new in Altium Designer 6.9" pdf ドキュメントを開くと、次のように 16 の機能が紹介されています。やはり前作 6.8 でデビューした 3D 表示機能に関連するものが多く、 6.8 の改良版という性格を感じさせます。(日本語訳は正確で無い可能性があります)

・ New - STEP Models into 3D Bodies
 STEP モデルの 3D 形状への読み込み
・ New - 3D STEP Export
 3D STEP の書き出し
・ New - 3D Origin Marker
 3D オリジンマーカー
・ New - Transparent Layer Mode options
 透過レーヤー表示モードのオプション
・ New - 3D Shadow and Object Color by Layer
 3D シャドウ と 層ごとのオブジェクトカラーの設定
・ New - 3D Image onto clipboard
 3D イメージのクリップボードへのコピー
・ New - Jumper connections
 ジャンパー接続
・ New - Units Toggle
 単位系のトグル
・ Improved - Special Strings
 スペシャルストリングの拡張
・ New - Design Refactoring
 デザインリファレンシング
・ Improved - Publish to PDF
 PDF出力
・ New - Web updates
 Web アップデート
・ New - Power Monitoring for the Desktop Nanoboard
 Desktop Nanoboard のためのデバイス消費電力モニター
・ New - FPGA Peripheral Cores
 FPGA ペリフェラルコア
・ Improved - Xilinx EDK Support
 Xilinx EDK のサポート
・ New - Context-sensitive C language help
 文脈依存型 C 言語ヘルプ

しかし今回のアップデートでは、ジャンパー線のサポートというような、基本機能の拡張も行なわれています。日本国内にはこの新機能による恩恵を受けるユーザも多いのではないでしょうか?

このジャンパー線のサポートは、片面基板の設計にはどうしても必要な機能ですので、家電の分野で長く切望されていました。これはまさに日本市場向けの機能ですので、後ほどあらためて紹介したいと思います。

また、地味ながら次の 2つの改良も見逃せません。

(1) ダイアログボックス上でのメトリック単位系(mm)の桁数の取り扱い
以前は、小数点以下 3 桁しかサポートされていませんでしたので、ダイアログボックス上でグリッド値をミリメートルで設定したり、インチからミリメートルに変更.したりすると、丸め誤差によりグリッドに載らなくなることがありました。この対策のため、桁数が小数点以下 5 桁までサポートされ、3桁から 5桁の間で切り換えられるようになりました。(変更する場合にはPCB ドキュメントを全て閉じる必要があります)

keta.jpg

(2) ダイアログボックス上のグリッド表示の単位系を瞬時に切り換え
ショートカット "Ctrl + Q" により、グリッドの設定値が、ミリメートル(mm)とインチ(mil)の間で切り換わります。しかしここで変わる換わるのは、数値だけですのでこの変更を反映するためには、単位系の切り換えも合わせて行なうことが必要です。

tani.jpg

その他、6.8 で報告されていた、 NC ドリル出力時のミリメートル設定の不具合も解消されています。

また、Web アップデートの画面を開く前に、ユーザアカウントへのログインを要求されるように変更されています。ほかにも今まで文字化けしたいたライセンス先(エンドユーザの社名)の表示が正しく行なわれるようになっているなど、今まで積み残されてきたいくつかの問題が今回のアップデートで修正されています。

Links:Altium 情報局Altium 問合せ・請求||Altium Designerユーザ情報サイト


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