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2008年03月18日

CAMtastic の活用

(旧プロテル探検隊からの加筆/転載、画像もそのまま使用)

Altium Designer には単体商品としても販売されていた CAMtasticガーバエディタ が含まれています。

元来、ガーバエディタは面付けやテストクーポンの追加など、基板製造の効率化や品質向上ためのデータ編集に使用されるツールです。一方、このようなPCB製造側の用途だけでなく、基板設計者にとっても PCB 設計の仕上げや最終チェックに使用できる、便利なツールでもあります。

そこで今回は、CAMtastic によって行うことができる PCBデータの仕上げと最終チェックの一例をご紹介します。

(1) シルクカット
Altium Designer による基板設計時には、部品番号(シルク文字)を部品のパッドや穴(スルーホール)に重ならないように配置します。パッドにシルクが重なると半田が乗らず、また穴にシルクが重なるとインクで穴が塞がるからです。しかし密度の高い基板ではこのような重なりを避けられない場合があります。また見落としにより重なった部分が残ってしまう場合があります。

このような場合には、パッドや穴と重なっているシルク文字の一部を切り取り、重なっている部分を除去します。これをシルクカットと呼んでいます。このシルクカットは Altium Designer のPCBエディタではできませんが、CAMtasitic を使えば可能です。

silk.jpg
Altium Designer のPCBエディタから出力したガーバデータとNCデータを CAMtastic に読み込んだ後、ネットリストを生成します。そして [ Tools ] - Trim Silkscreen コマンドを起動することによりシルクカットが自動的に行われます。

silkcut.gif
(2) ドリルのダブルヒットのチェック
Altium Designer による基板設計時に、スルーホールパッドどうし、またスルーホールパッドとビアが重なった状態で配置される場合があります。このような部分を目視で見つけることは困難で、またデザインルールチェックでも検出ができません。

このような部分には、同一座標にドリルデータが2つありますので、ドリルのダブルヒットと呼んでいます。そしてこの部分には基板製作時に穴あけが2回行われ、場合によってはドリルが折れてしまう場合がありますので、完全に除去しておく必要があります。

CAMtastic には、このようなダブルヒットをを自動的に検出する機能があります。またドリル径よりも狭い間隔で配置されているドリルデータを検出することもできますので、穴あけに関する問題を容易に回避することができます。

CAMtastic のデザインルールチェックは、[ Analysis ] - PCB Design Check /Fix コマンドによって行います。コマンドの起動によって表示されるダイアログボックスの設定項目の14番目と15番目にドリルチェックがあります。他にも多くのデザインルールチェックができますので、一度全ての項目にチェックを入れてルールチェックをかけてみるとよいでしょう。ここにある項目のほとんどの部分はAltium Designer PCBエディタでチェック済みのはずです。しかしここでは製造直前のガーバとNCデータをチェックしていますので、最終工程のチェックとしてより信頼性の高いデータの確認が可能です。
camdrc.jpg
このように、CAMtastic にはAltium Designer の PCB エディタの機能を補うさまざまなデータの加工やルールチェックが可能です。この CAMtastic の機能を併用することによって、より品質の高い製造データを作成することができます。

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